「DXしろ」と言われた現場リーダーが最初にやった5つのこと

「DXしろ」と言われたけど何から始めればいいかわからない非エンジニアの現場リーダーへ。着任直後に上司から改善を丸投げされた自分が、全体把握から最初の自動化までで実際にやった5つのステップを、実体験そのままに書きました。

「DXしろ」と言われた現場リーダーが最初にやった5つのこと

「DXしろ」と上から言われたけど、結局何から始めればいいのかわからない——。

そんな現場リーダーに向けて、自分が実際にやった5つのことを時系列で書きます。 ツール導入ゼロ・追加予算ゼロでも、最初の一歩は踏み出せます。


DXを「何から始めるか」で迷う非エンジニア現場リーダーへ

こんなことで困っていませんか。

  • 上司や社長から「うちもDXやれ」と言われたけど、具体的に何をすればいいかわからない
  • IT部門がない職場で、自分一人が改善担当に指名されてしまった
  • エンジニアに頼むと時間もお金もかかる。でも自分でやれる気もしない

自分も全く同じ状態でした。 この記事では、着任直後に「手作業が多すぎる、どんどん改善して」と言われた自分が、最初の1アクションにたどり着くまでを書きます。


「DXしろ」と言われた日、自分が陥った3つの誤解

改善担当を任された直後、自分はこんな勘違いをしていました。

  1. 「DXは大きなシステムを入れること」だと思っていた
  2. 「DXは経営層の仕事」だと思っていた
  3. 「DXはエンジニアじゃないと無理」だと思っていた

結論から言うと、3つとも違いました。 DXは「自分の手元の作業を、デジタルで少しラクにする」ところから始められます。

DX指名された日のリアルな心境

着任直後、上司から「この部署は手作業が多すぎる。改善すべき点が多々ある。どんどん改善して」と言われたのが始まりでした。

正直に書くと、その時点ではまだ業務の中身がほとんどわかっていない状態でした。 「改善して」と言われても、何をどう変えればいいかの判断材料が自分にない。

なので最初にやったのは、いきなりツールを選ぶことでも勉強でもなく、全体把握でした。 できる範囲のExcel改善は並行で進めつつ、「もっと根本的に変えないと、この職場は変わらない」と感じたのが、DXに本気で取り組み始めたきっかけです。


最初にやった5つのこと(実体験ベースの時系列)

1. 3ヶ月、ひたすら業務記録を見続けて全体把握した

最初の3ヶ月は、改善案を出すことより「この職場では何が起きているのか」を把握することに全振りしました。

日々の業務記録や帳票を見て、誰が・いつ・何をやっているかを追いかける。 すると、見えてきたのはこんな景色でした。

  • 毎回同じ作業を何回も何回も繰り返している
  • 「このやり方だと時間がかかるよな」と感じる手順が、当たり前のように残っている
  • 一つひとつの作業が、誰の頭の中にしかない暗黙ルールで動いている

この時点で「大きなシステムを入れる」より、まず一つひとつの作業を仕組み化・効率化していく方向に頭が切り替わりました。

DXを「何から始めるか」で迷うなら、最初の一歩は調査でも勉強でもなく、自分の職場の作業を1〜3ヶ月、淡々と観察することだと思います。


2. 「数量が合わない」と言われた資材在庫を、最初のターゲットに選んだ

全体を見た上で、最初に手をつける作業として選んだのは資材在庫の手入力でした。

きっかけは、現場から「数量が合わない」と指摘があったこと。 正直に書くと、この作業はもともと自分の担当として任されていたわけではありません。 でも、現場で困りごとが起きていて、放っておけば毎月同じ問題が繰り返されることが目に見えていました。

「自分の業務じゃないから」で線を引くより、効率化と改善が必要だと感じたら踏み込む方を選びました。 これが結果的に、自分にとっての最初のDXテーマになりました。

選んだ理由を整理すると、こうなります。

  • 毎日必ず発生する作業だった
  • 手順がほぼ決まっていて、判断が少ない
  • ミスが起きていて、現場が困っている実感があった

3. QRコードで自動取り込みしたい、と思ったところからアプリ化を考えた

最初に頭に浮かんだのは「GASか何かでアプリを作って在庫管理する」案でした。

日々変動する在庫の数量が、手入力と手書きで管理されていたんです。 「これ、QRコードで読み取ったら自動で取り込めるんじゃないか」と思いついて、アプリ化の方向で具体的に考え始めました。

QRコード×GASの組み合わせは、以前別記事で書いた通り、非エンジニアでも十分手が届く範囲です。 → QRコード×GASで在庫管理を自動化した話

ただ、アプリ化を進めながら、ひとつ引っかかりが出てきました。


4. 「アプリにすると直せない」と気づいて、スプレッドシートに軌道修正した

引っかかったのはこの点でした。

アプリ化すると、デバッグやシステム修正がすぐにはできない。

非エンジニアの自分が、現場で何か不具合があったときに、その場で直せない仕組みを入れるのは怖い。 仕様変更が出るたびに、誰かに頼まないと動かなくなるのは、本末転倒だと感じました。

そこで方針を変えました。 基本はGoogleスプレッドシートで、自分が直接いじって管理できる形にする。 QRコード自動取り込みは、その上に少しずつ足していく前提に切り替えました。

この軌道修正は、AIに相談しながら決めました。 非エンジニアにとっての「ちょうどいい自動化の落としどころ」は、最初から決まっているわけではなく、相談しながら見つけていく感じです。 → バイブコーディングという考え方

結果として、入力時間そのものは短縮できましたし、何より自分でメンテできる仕組みになったのが大きかったです。


5. AIに相談してわかった「最初から全部自動化しない」という答え

スプレッドシートを土台に据えてから、AIに本格的に相談しはじめました。

最初に投げた質問は、ざっくり「この在庫管理、どこまで自動化できる?」みたいな雑なものでした。 返ってきた答えは、自分が思っていたものとは少し違いました。

ポイントは「最初から全部自動化」ではなく、「どの作業を自動化したいかを自分で言語化する」ことが先、というものでした。

正直、これは拍子抜けというか、肩透かしを食らった感覚でした。 AIに任せれば魔法のように全部やってくれると、心のどこかで思っていたんだと思います。

でもやってみると、本当にその通りでした。 「在庫の何を、いつ、誰のために自動化するのか」を自分の言葉で書き出せたとき、初めてAIから具体的なコードや手順が返ってくる。 逆に、自分の中で言語化できていないものは、AIに投げても曖昧な答えしか返ってきません。

このあたりの「AIとの付き合い方」は、別記事にもっと詳しく書きました。 → GASで業務改善した実例まとめ在庫管理を自動化したときの全体像


DX担当に指名された人が、最初に読まなくていいもの

逆に「これは最初は読まなくてよかった」と思ったものを正直に書きます。

  • 経済産業省のDXレポート(読んでも現場で何をすればいいかわからない)
  • 大企業のDX成功事例(規模が違いすぎて参考にならない)
  • 「DXとは何か」を解説する本(定義論より、最初の1アクションのほうが大事)

最初に読むべきは、自分の職場の業務記録でした。


DXに着手して手にした「数字以外の成果」

数字としては、在庫入力にかかる時間が短縮できた、という地味な結果です。 派手な数値の改善ではありませんが、数字以外で得たもののほうが、自分にとっては大きいです。

  • 「DXは自分でもできる」という体感
  • 困っている作業に踏み込む心理的なハードルが下がった
  • AIに丸投げするのではなく、自分の言葉で課題を語る習慣がついた

上司や現場の反応がどう変わっていったかは、別記事で詳しく書いています。 → GASで業務改善した実例まとめ


まとめ|DXは「会社の話」ではなく「自分の作業の話」から始める

要点は3つです。

  1. 最初にやるのはツール選びではなく、自分の職場の業務記録を見続けること
  2. 作業は1つだけ選んで、現場が困っているところから踏み込むのが現実的
  3. AIに丸投げするのではなく、「何を自動化したいか」を自分の言葉で書くことが、結局いちばん効く

「DXしろ」と言われた日から、大きなシステムを入れなくても、自分の手元から始められます。


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おおばこ

物流 x AI自動化ブロガー

非エンジニアの会社員。GASとAIで日々の仕事を改善中。 「自分にもできた」を同じ立場の人に届けたいと思い、このブログを始めました。

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